少し前のことだが、原因不明の腹痛で苦しんでいる中年の女性がいた。どこの医療機関で検査をしても、なにもないと診断されるが、痛むときのひどさは、本人でないとわからない。腹をさわれないほどの苦しみは確かになにかある。あまりにも激しい腹痛に、強い鎮痛薬でしか対処できなかったが、思いついて芍薬甘草湯を投与してみた。
これは昔でいう”癪”というものではないかと考えたのだ。芍薬甘草湯は急性の痙攣性の痛みを止める、または足がつる人にも有効だ。
1週間ほどしてから、すっかり良いとのこと。でも怖いので、お薬は続けますといわれた。
西洋薬であれば、痛みを止めるだけだが、この薬はどうも痛みを予防してくれるようだ。まことに奥深いものだと感じている。

