2009年10月07日

漢方の奥深さ

何気なく漢方薬を使っているが、ときどき、その奥深さに驚くことがある。西洋薬でどうしても治らないものを、漢方がときになおすことがある。
少し前のことだが、原因不明の腹痛で苦しんでいる中年の女性がいた。どこの医療機関で検査をしても、なにもないと診断されるが、痛むときのひどさは、本人でないとわからない。腹をさわれないほどの苦しみは確かになにかある。あまりにも激しい腹痛に、強い鎮痛薬でしか対処できなかったが、思いついて芍薬甘草湯を投与してみた。

これは昔でいう”癪”というものではないかと考えたのだ。芍薬甘草湯は急性の痙攣性の痛みを止める、または足がつる人にも有効だ。

1週間ほどしてから、すっかり良いとのこと。でも怖いので、お薬は続けますといわれた。

西洋薬であれば、痛みを止めるだけだが、この薬はどうも痛みを予防してくれるようだ。まことに奥深いものだと感じている。SA390311.JPG
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2006年07月27日

チャングムの誓い

NHKのBSでチャングムの誓いという番組を見ました。
その中で皇太后が、息子と意見が衝突し、わがままをいって、食事をとらず、治療もしないでいるうちに、容態が悪くなり、食事が入らなくなり、死に瀕する状態になるストーリーなのだが、いわゆる脾胃虚であり、憂いや思いがもたらす病態である。
さすがに朝鮮半島の番組で、しっかり漢方的な考えを押さえている番組と感心しました。
こんな場合、私なら何を処方するか?
一般的には補中益気湯であり、重態であれば、十全大補湯かもしれません。
しかし、西洋医学では、まず輸液でしょうし、血圧が下がれば、イノバン、ドブトレックスかもしれません。
漢方には、そのような緊急的な手段がとぼしく、両者の選択にいつも迷うところではあります。
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2006年07月23日

気管支喘息に柴朴湯

柴朴湯は気管支喘息に効果があります。
上腹部が押すと硬く、圧痛を本人も感じるような人に効果があり、テオフィリンななどを連用している人にも、薬を減らせる作用があります。
子供で、非常によく効いた例があり、漢方薬はとりにきますが、発作の薬を取りにくることがかなり少なくなりました。
このまま大きくなれば、たぶん薬もいらなくなるでしょう。

治っていく人をみるのはとても気持ちの良いことです。
いままでの西洋医学的な薬に比べて、卒業していく人の多いこと。

ただ、あまり治ってしまうと、こちらもこまるのではありますが、、、
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2006年05月30日

こどもの漢方薬

P1000266.jpg私の診療所では子供にも漢方薬をだします。
いままでは結構いやがられていましたが、最近のお母さんは、喜んで受け入れる人が多くなっています。もちろん、なかには母親本人が嫌がってだめなときもありますが、
時代は着実に変わっているのだと、実感しております。
腹痛をよく訴える子供に小建中湯や、気管支喘息の子供に柴朴湯
風邪には葛根湯加川辛夷などなどです。
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2006年05月29日

認知症を治す

東北大学の老年科の岩崎先生の話の中に、認知症を抑肝散で治療するという話題がありました。
抑肝散のエキスを脳細胞の培養液にまぜると、アルツハイマーの原因になる繊維が溶けていくのが観察できるそうで、抑肝散を投与したグループの患者では、QOLの改善が認められるそうです。
しかしながら、まだ、目に見えてよいという反応が少なくて、今後の検討課題となっているそうです。

認知症の患者さんに、安心して投与できるような薬があるといいですね(アリセプトは、、、)
漢方薬での認知症治療はかなり期待できると思います。
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2006年05月20日

なんでもする

東北大学の老年科、岩崎剛先生の講義を聴いて、とても感動した。
その内容もさることながら、その講義の途中で、先生が”治るためならばなんでもする。」という意味の言葉をおっしゃったのが、私の心に残った。

今、目の前にいる患者さんの苦しみ、つらさをなんとかしてやれないかというのが、普通の医師、いや人間の気持ちではないだろうか?
さまざまな人間の苦しみに対して、われわれは何をできているだろうか?
方法がないとか、しかたがない、極端な場合、年のせいだからとか、逃げてはいないだろうか?

近代医学は、さまざまな難病に対して、最先端の技術を駆使して、挑戦してきたが、そういうマーケットにでない病気、企業の利益につながらない病気は、切り取られてきたのではないか?

そういう私でさえ、ごく最近、検査をして、なにもありません。気のせいでしょうという結論を、出したことがあった。
もちろん、リスクを考慮して、時間をおいての検査や、症状をとるための薬なども進めはしたのだが、

そういう患者さんに1時間つきあっても、今の診療報酬体制では、利益にはつながらない。
経済性にだけ裏打ちされた医療は、はたして私たちが望みうる最良の医療なのだろうか?
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2006年04月29日

若いということ

中学生の検診に行きました。
昔より人数が減っていて、同じ時間でゆっくり見れるわけで、流れ作業だった検診を、できるだけじっくり見ようとしてみました。
なにか悩みとかないかどうか、たずねてみたり見ました。
また、ついでなので、脈をみてあげました。
中学生だから、みんな、実脈で浮だと思っていたのですが、そういう子供は意外とすくなくて、むしろ、沈細のほうが多いくらいです。

びっくりしました。
そういう子供はみると、手ががさがさだったり、皮膚がかさかさしています。
食生活や日常生活の中でストレスが大きいのでしょうか?
不思議な現象です。
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2006年04月22日

治りたい、なぜ治らない

CA250236.JPG患者さんの訴えというものは、時に激しいものがあります。
いつもはおとなしい患者さん。今日は急に”どうして治らないのでしょうか?”と真剣なまなざしで訴えます。

こちらもたじたじとしてしまうほど、激しい口調の彼に、真剣に対峙して、ひとことひとことていねいに説明をしました。

一方では、自分が本当にこういう人たちの思いを、きちんときいてあげれているかどうか考えさせられました。
慢性疾患だからとか、年齢が年齢だからとか、自分を、患者さんをごまかしていないかどうか、本当に手はないのかとか

患者さんの言葉を真正面からうけとめられているのか

自分が変わっていき、医療をかえていかなければいけない
それが私の仕事なのだから
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2006年04月16日

漢方薬事始

織部和宏先生の”漢方事始め”(日本医学出版)を読んだ。
いつもながら、すばらしい文章で、その博識で深い知識に頭が下がった。
先生は私の師匠である平田先生の師匠であり、いわば、私は孫弟子にあたる。
もちろん、織部先生の講義を数回聞いただけでしかないが、その深い専門的な知識には脱帽しかない。

この本を通して、あるいは、先生の日ごろの講義を通して、私が感じるのは、私をふくめて、多くの内科医は、人間の体の精密さ、微妙さ、精緻な構造、そういったものに、ぜんぜん近寄れていないということだ。

簡単でわかりやすい本であれば、いくらでもある。またそういう本を読めば、なんだ、簡単なことだと思うだけだろう。
しかし、織部先生の本には、簡単に書きながら、実は深くて広い人間の体についての神秘さを垣間見せる哲学性とでもいったものがある。

大塚敬節先生の本にも、そういうところがある。

まだまだ、織部先生の足元にも近寄れていないことに、すこし身震いを感じる私がいた。

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2006年04月10日

葛根湯

060402_153842.JPG葛根湯には不思議な力があります。
もちろん、おなじみの風邪の薬ですが、それ以外にも薬効として炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ節炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましんなどがあります。

炎症を抑える力が、通常の抗炎症剤に比較して、決して遜色がないのです。
風邪の初期に服用すると、大量に汗をかきます。そして熱がさがるというわけです。
ほかにも首の真後ろがこるような肩こりには、とてもよく効きます。

さらに不思議な作用として、葛根湯には乳汁の分泌をよくする作用があります。まあ、もとが葛ですから、栄養があるわけでもあるので、

漢方薬全体がそうですが、証をみて、投薬しないといけません。
葛根湯がよく効くのは、たいていの子供の風邪、がっちりしていて、食欲もあり、脈が力強い若者や中高年です。
つまりいわゆる実証の人に、よくききます。

しかしながら、経験的には風邪のほとんどによく効きます。
そこで、下手な漢方医のことを葛根湯医者ということがあります。
なんでも葛根湯を出してしまうという意味です。

葛根湯がうまくないのは、老人や、長引いた風邪です。

この場合は柴胡加桂枝湯などがいいわけです。
posted by kakkon at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする